「またできなかった…」と、つぶやく夜
朝起きたときは、「今日はちゃんとやろう」と思っていた。
やるべきことをメモに書いて、朝ごはんも用意して、
「今日はちょっと、いい感じかも」と思っていたのに。
気づけば日が暮れて、何も進んでいない現実にため息をつく。
スマホばかり見てしまって、洗濯も後回しになって、
「なんで、私はこうなんだろう」と責めてしまう。
そんな日が、私には何度もありました。
そしてきっと、同じように思ったことがある人も少なくないと思うんです。
「理想の自分」と「今の自分」の間に、大きな壁を感じて。
そのギャップを埋めようと焦れば焦るほど、うまくいかなくて、
動けない自分にまた落ち込んでしまう。

「ちゃんとできる自分」じゃないと、ダメだと思っていた
昔の私は、「ちゃんとできている人」こそが素敵だと思っていました。
片づけも、段取りも、人付き合いも。
全部うまくやれて、手を抜かず、きちんとしている人。
そんな人を見ては、「私もそうなりたい」と願っていました。
でも現実の私は、いつもどこかが抜けていた。
スケジュール通りにいかないとイライラして、
人と比べては「なんで自分はダメなんだろう」と落ち込んで、
うまくいかない自分に、どんどん自信を失っていった。
自分の心に余白なんて、どこにもなかったように思います。

本当に苦しかったのは、“できないこと”ではなくて…
ある日ふと、「私はなぜこんなに苦しいんだろう?」と立ち止まりました。
その時、気づいたんです。
本当につらかったのは、
「できないことがあること」ではなく、
「できない自分をずっと責めていたこと」だと。
完璧じゃなくても、何も進んでいなくても、
それは人としてダメなんじゃなくて、ただ、そういう日だっただけ。
体調が悪かったかもしれないし、気分が乗らなかっただけかもしれない。
でも私は、そんな日すら許さずに、「できなかった私=価値がない」と決めつけていた。
その“思い込み”が、いちばん私を苦しめていたんです。

私がまず手放したのは、“ちゃんとしなきゃ”の言葉
それから私は、自分の中にある「~しなきゃ」を、少しずつ減らしていきました。
「ちゃんとごはんを作らなきゃ」じゃなくて、
「野菜をちょっと切るだけでもいい」って思ってみる。
「ちゃんと掃除しなきゃ」じゃなくて、
「今日はテーブルの上だけ拭こう」で十分ってことにする。
完璧にこなすことよりも、
“今の自分をちょっとだけ整える”ことを、大事にしてみたんです。
サラダを作ることで、自分の呼吸を取り戻す
そんなある夜、冷蔵庫に残っていたズッキーニとトマトを切って、オリーブオイルと塩だけで和えてみました。
ただ野菜を洗って、包丁で切って、
ひと皿に盛るというだけの時間。
でもそのとき、私ははじめて
「自分に戻ってきた」感覚を覚えたんです。
誰に見せるわけでもない。
誰かのためでもない。
ただ、自分が自分を大切にするために、手を動かす時間。
料理というより、呼吸に近いものでした。

“整える”ことが、変化へのやさしい一歩
私は、「なりたい自分になれない」と焦っていた頃、
“今の自分”をずっと嫌っていたんだと思います。
でも、毎日少しずつ整えていくうちに、
「今の自分」を受け入れられるようになってきました。
朝、好きな器でごはんを食べる。
夜、ひと皿のサラダを丁寧に盛る。
眠る前に、ゆっくり深呼吸して目を閉じる。
そんな小さな習慣が、
「私なんか…」と思っていた日々から、
「これでいいんだ」と思える日々へと変えてくれたんです。
おわりに ― あなたの今日を、少しでも軽くするために
もしかすると、今日もまた
「ちゃんとできなかった」と思っているかもしれません。
でも、そんなときこそ、自分を追い込むのではなく、
「今日もがんばったね」って、声をかけてあげてほしい。
そして、よかったらキッチンに立って、
ひとつだけ野菜を切ってみてください。
うまく切れなくても、味が決まらなくても、それでいい。
その小さな一歩が、あなたをまた少し整えてくれます。
“ちゃんとしなきゃ”を手放したとき、
本当に整う日々が、きっとはじまります。

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