グルメガイド

【大森西】ラーメン嫌いのぼくが、スープを完飲した。新宿の名店「大木戸」の無化調と、赤い黄身の衝撃。

食後に水を一杯も飲まなかった。これが本物の無化調の答えでした。

ラーメンを食べると、決まって水を何杯も飲んでしまいます。食後の重たさも苦手で、正直ラーメンはあまり得意ではありません。

そんなぼくが今日、一度もコップに手を伸ばさずにスープを完飲してしまいました。

宅建士ジカビー
宅建士ジカビー

直感アンテナが、医大通りで激しく反応した

大森西 ラーメン大木戸 外観

不動産パトロールや配達で街を駆け回っているとき、ぼくには「直感アンテナ」というものがあります。

うまく言葉にはできないんだけど、ある種の店の前を通ると、体が勝手に足を止めるんです。派手な看板があるわけでも、行列があるわけでもない。それでも「ここには何かある」と感じる瞬間があります。

大森西の医大通りを歩いていたとき、そのアンテナが激しく反応しました。

「ラーメン大木戸」。

外から見ると、飾り気のない静かな店構え。でもそこから漂ってくる「ただならぬ本物の気」が、ぼくの足を止めました。この感覚、以前にぼくがお気に入りのお店を見つけた時と同じです。

こういうお店には、たいてい本物が潜んでいます。
 

テクノポップと食券機に、一瞬ひるんだ

15時過ぎ、ランチの喧騒が去った穏やかな時間にお邪魔しました。

引き戸を開けて店内に入ると、流れてきたのは意外にも「テクノポップ」。「あれ、店選びを失敗したかな……」と一瞬ひるみました。お店の雰囲気と音楽のギャップが、想像の斜め上をいっていたんです。

さらに、ぼくが少し苦手な食券制。

ラーメン大木戸 食券機メニュー

メニューをじっくり眺めてから決めたいぼくにとって、食券機の前での決断は毎回プレッシャーです。でも今回は迷わず「特製ラーメン(1,100円)」をチョイス。

カウンターに座ると、厨房から漂う出汁の香りがじわっと鼻をくすぐってきました。この香りだけで、さっきまでの不安がすうっと消えていきます。

 

「なんだ、これ……」醤油のパンチが、スッと消えた

大木戸 特製ラーメン 醤油

待つこと数分。運ばれてきた一杯を前に、まずスープを一口。

口に入れた瞬間、醤油のしっかりとしたパンチが来ました。でも次の瞬間、それがスッと消えていく。後味に何も残らない。じんわりと旨みだけが残る感じ、とでも言えばいいのか…。

ぼくの感覚で言うと、化学調味料を使っていないスープはこうなります。

素材だけで丁寧に取り出した出汁は、パンチがありながらも体に引っかからない。喉を通った後がすっきりしているんです。「無化調でこの満足感が出せるのか」と、心の中で思わず店主にツッコミを入れてしまいました。

そして気づいたら、一度もコップに手が伸びていないんです。ラーメンを食べた後にこれは、ぼくにとって初めての体験です。体が喜んでいる感じ、とでも言うか。これこそが本物の無化調の答えなんだと思いました。

 

赤い黄身との、予期せぬ遭遇

大木戸 味玉 赤い黄身

麺を啜ると、香りの良さとコシの強さにまたびっくりします。繊細だけど大胆なスープを、この麺がしっかり受け止めている。麺とスープの関係って、料理で言えば素材とソースの関係に近くて、どちらかが強すぎても弱すぎてもいけない。大木戸さんの一杯は、そのバランスが絶妙でした。

そして、特製ラーメンに付いてきた味玉を割った瞬間、思わず声がっ。

黄身が、赤い。鮮やかなオレンジを超えた、深みのある赤みがかった色。「これは一体どんな育て方をされた卵なんだろう?」思わず箸が止まりました。口に入れると、濃厚な旨みが醤油ベースのスープにさらなる深みを加えてくれます。

この赤さの秘密、次回は勇気を出して店主に聞いてみようと思ってます。

大木戸 チャーシュー

チャーシューも、最近流行りのトロトロ系ではなく、しっかりとした肉の歯応えを楽しめるタイプ。スープの繊細さとチャーシューの力強さが、一杯の中で見事に共存している。

全体を通して、「引き算の美学」とでも言いたくなる丁寧さを感じます。

 

新宿の名店が、今は大森西にいる

後で調べて驚いたんだけど、大木戸さんはもともと新宿御苑で食べログ百名店に選ばれたほどの実力店だったんですね。

都心の激戦区で磨き上げられた無化調のラーメンが、今はこの大森西・医大通りで静かに、しかし情熱的に一杯を仕上げ続けている。ぼくの直感アンテナが反応したのは、その「熱量のオーラ」だったのかもしれないですね。

帰り際、少しだけ店主の方とお話しすることができました。

職人気質ながら、どこか温かみを感じるその佇まい。多くを語らないけれど、一杯に全部が込められているような人でした。「この店主が作る梅塩つけめんなら、ぼくの苦手意識すら塗り替えてくれるかもしれない」と思いながらお店を後にしました。

実はぼく、つけ麺も人生で数回しか食べたことがないんです。

でもこのお店なら、その未知の扉を開けてみたい。ラーメンもつけ麺も苦手なぼくに、そう思わせてくれるお店が大森西にあります。敬遠している方にこそ、この無化調の衝撃を体験してほしい一杯でした。

今日も、ごちそうさまでした。









 


 
 

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